渓流ベイトロッドスタイル温故知新...

2019年はWESSEXトラウトロッドのスピニングロッド WSE-S/4 を発売し、ベイトロッドの WSE-C/5 も生産5回目となりましたが、いずれも年内で完売となりました。
お買い上げくださいましたお客様には最大の感謝とともにこれからも末永くお付き合いくださいますようお願いいたします。

話は変わりまして、いつだったかベイトロッドのWSE-C/5を愛用してくれているR君から、「スパイラルガイド仕様が欲しい」と言われたことがありまして、正直あまり驚きも無く「お!来たな...」という感覚だったのも、WSE-C/5の初期テストモデルを作る時にウチの匿名テスターさんHDとの話でスパイラルガイドをテストするか否かの話になった時に、川だと右岸に立つか左岸に立つか、はたまた上流にキャストするか下流にキャストするかでガイドをスパイラルさせるべき方向が違ってくるのではないか?という共通意見のもと、最初のモデルは通常配列のガイド設定で行こうよという事になった。実際にマルチピースのロッドの場合は各ブランクスパーツを少しずつジョイント部分をひねることでスパイラルっぽい使い方も出来るし、ちょっと引きの強い魚とファイトした後は勝手にブランクスが回転してスパイラル仕様みたいになっているのである...

なので、R君に対しても、「WSE-C/5はマルチピースだから、各ブランクを少しずつひねるとスパイラルっぽい使い方出来るよ~!」といったら、R君も「あ~、なるほど...」といって納得したと言っていたのですが、まあ、僕自身がそのあと少し引っ掛かっていたんですよね、だって実際にスパイラル仕様で組んだ竿をテストしていないから。

通常のガイド配列のベイトロッドでも自分の使い方では穂先を上方向にしゃくってトゥイッチしても、竿の操作中にラインがガイドに絡むことは無く、ルアー交換時に糸が緩んだ時に絡む程度だったのですが、R君はトップウォータールアーマンでもあるので結構なラインスラックを出してしゃくっているのか、上方向にしゃくるとラインがガイドに乗っかって絡むと言うんですよね。

で...



実は2019年、このスパイラルガイド仕様ベイトロッドのテストをしておりました。

ガイドの抵抗が増す分、わずかに飛距離が減るのですが渓流や川幅が広くない規模の川なら問題のないレベル。
上方向のトゥイッチでラインスラックをかなり出しても穂先のガイドは全部下向きのため絡みません。

※ここで再び誤解のないように補足いたしますと、大多数の方の場合は普通のガイド配列のベイトロッドでもロッドワークの最中にラインがガイドに絡むような事はほとんどなく、たいていの場合、ルアーの交換の際にラインが緩んだ時にガイドに絡むことがあり、これは糸ヨレが原因です。
そういった場合でも、スパイラル設定の配列では穂先のガイドが下を向いているので絡みが解けやすいというのは大きなストレス軽減になるといえます。

右岸左岸問題でどっち方向にひねるかってのは考えないことにして、#2ブランク範囲内でスパイラルを完結させることにしました。
古くからスパイラルガイド仕様の竿は、柔軟な調子の船竿であったり、柔らかいジギングロッド、タイラバ竿などで採用されていますが、目的としては錘や水圧、魚とのファイトでブランクスがねじれることを軽減させることにあるのですが、当トラウトロッドの場合はマルチピースのため、ブランクスがねじれる前にジョイント部分が回りますから、糸がらみの軽減を目的としたものです。
「スパイラルガイドは見た目が...」という声も確かにあるのですが、小口径ガイドのトラウトロッドではあまり気になりません。

キャスティングロッドでも確かティムコさんのエリアトラウト用でもスパイラルガイド仕様のトリックトラウトというベイトロッドが存在していた記憶があります。マルチピースでは無いと思いますが。

ガイドがスパイラルしているため、ジョイント部分の位置合わせは白いマーキングが下方向につけてあるのでこの目印で合わせます。
でもですね、ちょっと大型の魚とのファイトの後は、魚が走った方向にブランクスが回っているため、後で位置を合わせてくださいね。





全体図。ガイドがスパイラルしているのがお判りでしょうか。

差別化を図るためスレッドカラーを変えています。

通常モデルはコパースレッドに赤紫ですが、スパイラルモデルはブラススレッドに青紫です。ゴールドではなく、あえてブラス(真鍮)っぽい色で組んでいます。



モデル名 WSE-c/5 Paranoia

来年の夏リリースを目指して、通常モデルベイトロッドWSE-C/5、スピニングのWSE-S/4 と併せて年明けより予約の受付を開始いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。

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